久々にSimutransの乗り換えシステムについて触れる記事です。
アクセス解析によるとGoogle検索で「Simutrans 新快速」とか「Simutrans 特急」でこのブログに迷い込んでくる人がいるようです。(アドオンを求めて迷い込んでくる?)
人気の記事も圧倒的に乗り換えについての2つのアクセス数が多いわけです。
この2つでは主に旅客がどの駅で乗り換えることを決めているかというのを解説しています。
その一方で、弊ブログのアクセス解析で次のようなデータがあったりします。
意外とpak128の描画位置を気にしている人が少なくないようですが、「快速 ガラガラ」という文字が。
Simutransって速達列車を設定してもあまり乗ってくれないという経験をしている人が少なくないと思います。
実際のところ、Simutransのプログラム的な観点から速達列車を運行する理由って乗り換え経路を決定するくらいしかないと言ってもいいくらいなんです。
あとは速度の出せる車両を使うとか速度は劣るけどたくさんの乗客を運べる車両を使うとかその程度なんです。
もう一度いいますが、Simutransで速達列車は1編成あればいいんです。
特に副都心線直通が始まる以前の東急東横線のように、一部地下鉄直通がある以外は急行も特急も各停も、渋谷と元町・中華街を往復するような路線では極論を言うとそうなるんです。
この辺の話は動画にするとわかりやすいところですが、動画を作るのが意外と面倒なので文章でごり押しします。
理由としてはSimutransの乗客は「先に到着した列車に乗る」という習性を持っているからです。
例えば渋谷駅から横浜駅まで東横線を使って移動したいとき、たいていの人は特急か急行に乗ると思います。
たとえ先に各駅停車が発車するとしても特急か急行が先に横浜駅まで行くという理由があると思います。
しかし、Simutransの乗客は何度も言う通り「先に到着した列車に乗る」のです。たとえそれが各駅停車でも特急でもお構いなしに。
例外として、横浜駅までにある駅(代官山、中目黒、祐天寺…)まで行く客で列車が満員になった場合には各停に乗れず、次に到着した列車に乗ることになります。
この世界の法則は先に駅に着いた人が列車に乗れるのではなく、降りる駅が近い順番に列車に乗れます。これも現実世界と違う点です。
そのため、満員で各停に乗れなかった人がどんどん渋谷駅に溜まっていくと急行や特急に乗る確率が増えていきます。
当然ながら、渋谷駅での始発待ちで各駅停車よりも特急の待機時間を長く取れば横浜駅まで行く客も特急に乗ってくれるようになります。
というわけで、始発駅なら待機時間を長く取れば上位種別に乗ってくれる可能性が生まれることになります。
横浜から渋谷に戻るときも同じ手法を…と思うかもしれませんが、横浜駅で100%待機をかけると後続の各停に追いつかれる可能性が生まれます。上り方向だけ2線構造にすると特急が各停に抜かれる可能性すら発生します。
コレが緩急種別を全部同じ区間で運行することのデメリットの一つです。
続いて自由が丘駅ですが、東横線は概ね上下ともに緩急接続が行われる駅で、なおかつ大井町線との乗り換え駅でもあります。
現行の無改造かつ普通のSimutransで緩急接続を行うには待機時間を設定するしかありません。(信号を駆使すればそれらしいことはできる可能性がありますが、列車をスムーズに流すのは難しいと思います)
各駅停車が緩急接続のため、自由が丘駅で一定の待機時間をかけるケースが多いと思いますが、大井町線からの乗り換え客は上位種別を待っている各停にどんどん乗り込んでいきます。
そして、自由が丘で乗り換えて東横線をそのまま進む客も(たとえその種別が停車する駅まで乗るとしても)、先に到着していた各駅停車に乗り換える可能性があるのです。
もちろん、ルートコスト的に各停で自由が丘にやってきてそのまま乗り換えてその先を進む客も上位種別が到着待ちをしない限りそのまま各停に乗ってしまいます。
(例えば祐天寺から横浜に向かうような客がいて、自由が丘で乗り換える場合をイメージするとわかりやすいかと思います…)
こんな理由もあり、緩急接続はSimutransに不向きです。
似た例としては東海道新幹線などが挙げられると思います。
こちらも品川や新横浜始発ののぞみをそこそこの本数運行しないと、こだまばかりに乗客が集中する可能性が考えられます。
次回の記事では南海本線を例にどのような工夫で種別ごとの混雑を平準化していくかという話をしたいと思います。
↓次の記事です