今年のアドベンドカレンダーを2枠とってしまったので今月2つ目となる記事はそういう話となります。
ひめしさんの記事が3日前公開ですがこの記事は一週間前に書いているので向こうの記事の中身を一切気にせずに書いてるわけですが、自分なりの書き方で書いています。
さて、何度か記事のネタにしていますが、SimutransにOTRP版というものがあります。
詳細は省きますが、通常のSimutransにいろんな機能を追加したものになります。
詳しく知りたい方は↓のリンクを参照してください。
https://github.com/teamhimeh/simutrans/blob/OTRP-distribute/documentation/OTRP_v13_information.md
ついでにDLして触ってみたいという方は↓にリンクを貼っておくので勝手に入れてください。(当ブログでは導入に関してのサポートを行う予定は今のところありませんが)
https://ja.osdn.net/projects/otrp/
で、最近になって発車時刻の指定ができるようになりました。
OTRP版でスケジュール設定メニューを開くと下の画像のようになっています。
ということで発車時刻の指定方法を軽く説明します。
①Extract advanced settingsをクリックするとOTRPで行えるさまざまな設定が出てきます。
②Wait for timeにチェックを入れます(この状態で発車時刻の指定ができるようになります)
③Spacing cnvは一か月あたりの運行本数を指定します。
画像の場合は月に36本、40分間隔で運行します。(月24時間換算として)
この状態だと時刻が0,40,80,120…になったら発車していきます。
④Shiftで発車時刻をずらします。
1を入れると1,41,81…と発車するようになります。
⑤Delay toleranceは遅延の許容時間です。
あとは触って覚えたほうが早いかもしれません。
ということで実際にダイヤを組む方法を説明していきます。
あくまでも自分なりのやり方となりますので、やり方は人それぞれだと思います。
1.とりあえず最速達列車を設定してみる
とりあえず何も考えずに最速達列車を運行したい間隔で走らせます。
終点まで行って折り返してくる本数を走行させましょう。
とりあえず毎時2本、特急列車(赤い線)を設定してみました。
この段階では(というか基本的にはどの段階でもですが)両端の駅だけ発車設定を入れて、途中駅の発車設定は行いません。
上り列車に関しては割愛しますが、片道1時間程度で走るので1往復するまでに5本か6本程度必要そうな感じですね。
2.続いて普通列車を設定していきます。
普通列車(黒い線)を設定すると退避なしで終点まで逃げ切れることが判明しました。
自分なりのダイヤ設定のコツですが、始発駅では列車の早い順番に発車させるとあとのダイヤ構成が楽になります。
このダイヤも普通列車のすぐあとに特急列車を出発させるとすぐに追いついてしまいますが、この図のように特急→普通の順番で発車させるとそれなりに逃げてくれます。
3.中間種別を挿入する
最初から設定するなら種別は速い順番に設定していくほうがいいです。(理由は後で説明します)
この順番に発車させると始発駅の発車間隔を詰めると普通列車が終点まで逃げ切れることがわかります。
中間種別である急行(青い線)を走らせることによって特急、普通の補完をしつつ増発をできます。
ただし、場合によっては列車の混雑にばらつきが生まれる場合があります。
理由は先に到着した列車に乗るという弊ブログでは何度も出てくるフレーズが原因です。
この場合も急行列車よりも先に特急や普通が到着していると急行には全然乗ってくれません。
4.ということで列車の発車時刻をずらしてみるとこうなる
急行列車と特急列車をほぼ等間隔で走らせてみました。
先の図で分かるかもしれませんが、こうなると普通列車は終点まで逃げ切れなくなります。
なので 途中駅で急行列車を退避させることになります。
図では行田駅で急行列車を退避しています。
どの駅で退避すればいいかを考えるときに、普通列車を追跡して後ろから速達列車に追い付かれた駅の1つ前の駅に待避線を作ってそこで退避を行うのが一番簡単です。
最近追加された三現示信号を使ったり、待機時間を設定するなどすれば普通列車が急行列車を退避してくれるでしょう。
逆に急行列車の発車時刻も多少ずらすという手法もあります。
これで概ね下り方向のダイヤ設定は完了です。
上り方向も同様に設定していけばなんとなくそれっぽくなると思います。
ただし、列車の出力が低い場合には乗客の増減によって走行性能が変わり、思ったように列車が動いてくれない場合もあるので、その際は停車駅ごとにある程度、ダイヤに余裕を持たせる必要が生まれます。
また、五城目駅では普通列車のすぐあとに急行列車が入ることになりますので、ホーム途中に信号を置いたり2線交互発着を使ってスムーズに列車を発着させるなどの工夫が必要となってきます。
5.さらに増発するには
応用として今度は普通列車を増発してみましょう。
30分ごとに特急を退避する普通と急行を退避する普通を設定しました。
同じく行田駅で退避を行うために15分間隔で発車させるのではなく13-17分の交互で発車させます。
このため、スケジュールは普通列車だけでそれぞれ独立した2つの普通列車が存在することになりますが、そのほうが管理が楽な場合もあります。
当然ながら特急と急行の発車時刻をもう少し調整すれば15分間隔で綺麗に行田駅で退避がおこなえるようにもできます。
しかしながら特急や急行を増発させるときに調整が難しくなりますのであまりお勧めはしません。
6.さらに増発
さらに増発したパターンを紹介します。
15分のパターンダイヤを組むとこうなります。
普通は高崎で特急、近江八幡で急行、八尾で特急を退避していきます。
ここまで間隔を詰めると急行も特急から逃げ切るのがやっとになるので、さらに増発するならば急行列車の退避も考えなければならなくなってきます。
どの駅で退避させるかは前述のとおり、とりあえず列車を走らせてみて追い付かれる1つ前の駅に待避線を追加して退避させるのが無難です。
まぁ、A列車でダイヤを組むのとさほど変わりませんが、基本的な考え方はこんな感じでしょうか。
もっと応用を利かせれば複雑な運行系統で複雑なダイヤを組めますが、基礎的な考え方としてはこんな感じです。
本当は単線における緩急接続のあるダイヤ構成についても研究したいところではあるのですが、未着手なのでまだ何も語れません。残念。
最後にこの機能の素晴らしいところについて軽く触れておきます。
従来、列車を等間隔に走らせるには、車庫を使って運行間隔を調整するというのが主流でした。
この方法は、車庫をバッファーとして出発線に待機設定をかけてある程度等間隔に主発させるという手法です。
この方法で間隔調整を行うと列車をきれいな等間隔に運行しにくいという欠点があります。
というのも図の中の入線する時間やホームが開く時間が列車の長さや信号の間隔などによって変化するからです。
何のことを言ってるんだと思う方は試してみてください。(そのうち動画にしたいけど…)
その点、OTRPのこの機能を使えばきれいな等間隔発車を簡単に実現できます。
列車の運行間隔を直接設定できるので外的要因によって運行間隔が変わることが少なくなるので。
今回はそんなお話でした。
おそらく今年のブログ更新はこれで終わりとなります。
来年も毎月更新を行っていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
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