今月も月末となりましたが、そろそろ今月の記事ということで今回はターミナル駅の折り返し効率とかそんな感じの話です。
鉄道におけるターミナル駅の効率の基本的な考え方は次の動画でも見てください。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm10254554
根本的に、鉄道はターミナル駅の配線が列車の運行密度に大きく影響を与えています。
Simutransにおいてもおおむね同じことが言えます。
上の図はシンプルな2線構造のターミナル駅です。CはChooseシグナル、EoCはEnd Of Chooseを示しています。
このターミナル駅で列車の発着を考えるとき、列車の導線は次の通りになります。
a)の場合は列車が発車すると同時に列車を駅に入れることができますが、b)の場合には列車が出発するまでほかの列車が駅に入ることができなくなってしまいます。
これが交差支障というものであり、ターミナル駅の効率に直結するのです。
結局列車を増発しても、ターミナル駅の折り返し効率が悪くなるため、詰まってしまいます。
これは列車の速度が遅い場合や列車が長くなれば導線が交差する時間が長くなり、効率は悪化します。
逆に加速を良くしたり列車が短ければ短時間に多くの列車を発着させることができます。
次にホームの数を増やした場合のことを考えてみましょう。
Simutransにおいては特に積載待ちをかける場合にホームの数が多くなる傾向にあります。
この場では4線にした時のことを考えてみましょう。
この場合に交差支障が起きるパターンは①の線から出発する場合、④に到着する場合に加えて次の画像のパターンもあります。
②から出発するときに青の導線で出発すれば①のホームへの導線は空きますが、赤の導線の場合には信号待ちが発生するのがSimutransの仕様です。
逆に④から出発する場合にはChooseシグナルの効果で③へ到着できる導線を検索するため、比較的交差支障は発生しにくいです。
これを改善するには次の配線にすれば良いです。
この配線で②から出発したときの導線は次のようになります。
②からの出発導線が1つのみとなるため、必ず①に到着できる導線が開いているため、Chooseシグナルの機能を使えば①に到着できることになります。
次にChooseシグナルの挙動について軽く触れておきます。
ターミナル駅では割とよく使われる信号ですが、到着できるホームを探してホームまでの導線を予約する信号となっています。
路線指定で指定されたホームにほかの列車が止まっていてもほかの空いてるホームを探し出して導いてくれるので待機設定をかける場合なんかにも有用な機能です。
その探す順序ですが、単純にChooseシグナルから一番近い順番に振り分けてくれます。
今までに出したホーム配置だと次のような順番となります。
ということで、2と3の場合、順番が同じになるホームが存在します。(たぶん座標が若い順に予約されるんじゃないかと思いますが未検証です)
この欠点を補うのが次の配置です。
この配置にすれば場所は取りますが序列ははっきりします。
ちなみに路線設定で指定する場合には出発導線で交差支障が出ない順番に指定していくほうがいいです。
その理由はChooseシグナルの仕様に由来しますが、基本的にホームが埋まっているときに割り振られるホームというのが出発時に交差支障をきたすホームであることが多いからです。
逆に交差支障をきたさないホームは割り振られにくいので。
Simutransの仕様上、出発で交差支障をきたすホームよりも到着で交差支障をきたすホームに優先的に列車を割り振ったほうが効率は上がるんじゃないかと思っています。
ちなみに個人的にターミナルは4線か6線くらいを上限に考えたほうが効率がいい気がします。それ以上の場合は引上げ線を併用したり2層構造にしたほうが使い勝手がいいような気がします。
今月はそんなお話でした。